遺体〜明日への十日間〜
昨日観てきました。
映画『遺体〜明日への十日間』
映画の舞台は岩手県釜石市。
釜石の地形は津波で壊滅的な被害にあった地域と、難を逃れた地域が1本の川を挟んで2つに分かれてて、災害が起きた当初、無事だった人達は津波の状況を把握できないまま、同じ町に住んでた人達の遺体を搬送して検死、DNA 採取、身元確認をやらざるを得ない現実の中に居た訳です。
そんな事まで考えた事なかった。
遺体安置所になったのは廃校になった中学校の体育館。
原作はジャーナリスト石井光太さんの『遺体 震災、津波の果てに』
脚本、監督は『誰も守ってくれない』の君塚良一さんです。
石井さんが実際に目撃して取材した事実を基に作られた映画です。
当時報道されてたのは、被害の状況やその数、物資や募金の呼び掛け等。そこで伝えられてた事も勿論事実だったと思うけど、同じ被害者の方達が犠牲になった人達の尊厳を守りながら家族との再会を願って懸命に遺体を守り続けてたなんて、そんな辛い役割を沢山の人達が担ってたなんて、考えれば解る事かもしれんけど、考えた事はなかった。
この映画はその状況が描かれてます。
ただ、これは震災の断片。
断片は数知れない。
それでも、震災で起きた事を物語ってる。
役者さんがたまらなくなってるのが解る。その想いと共に吐き出される台詞はいくつも頭ん中で今も繰り返されてる。
あんな状況の中にいたら、たまらなくなるのは当然だと思うし、映画を観ただけでこんなにきついんだから、これが現実だったらって考えると、本当に言葉を無くしてしまう。
自分はお金持ちじゃない。
だから少ししか募金もできない。
被災地に行ってボランティア活動をしたけど、まだ1回だけだ。
物凄く情けない気持ちになった。
主演の西田敏行さんのコメント。
『ご遺族の方々の心境を考えると劇化するのが正しいかどうか判断には非常に迷いました。しかし劇化することによって"事実"とは違う"真実"が引き出せるのではないかと思い、出演を決意しました。』
この映画の収益は、被災地に寄付されます。
是非とも観ていただきたい。
この映画の上映回数が少ない事、そしてあまり知られていない事が残念だけど(熊本だけんかもしれんけど)知って、観たいと思った人は、観て下さい。
ミュージシャンは曲を作って、奏でる。
自分も曲を作って、歌った。
ジャーナリストは書く。
映画監督は映画を作る。
それぞれの立場で、それぞれのやり方で、震災と向き合って物を作るのは表現者だからなんだろうと思う。
そして存在してる理由を知りたい、と。
これは自分がいつも思ってる事。
昨日のRB 、ラストは横道坊主の『ハル』をかけた。
3/6、6年振りとなるスタジオフルアルバム『悲しみ 月 そして希望』がリリースされた。
『ハル』を聴いてから、映画に行った。
震災の映画は他にもある。
レジー・ライフ監督の『夢を生きる』
そして、『誰も観たくなかったドキュメンタリー』と云われてる『311』
自分がまだ知らない作品もあるだろうし、熊本では観れるのか?わかんないけど、生きてる限り、命を使って、動き続けようと思います。
やるべし。
by 3-5_takeru | 2013-03-08 16:36